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相続人が確定したら次にしなければならないことは、「財産の確定」です。相続財産を計算するためには、土地や家屋などの不動産、現預金、株式などの有価証券、貸付金、(被相続人が個人事業主なら)事業にかかわる売掛金、などといった「プラスの財産」から、住宅ローンやその他の借入金、固定資産税の未払い分などといった債務、すなわち、「マイナスの財産」まで、漏れのないように調べなければなりません。これらの財産調査を行なった結果を「相続財産目録」として作成し、次のステップである遺産分割協議を行なうにあたっての重要な基本資料として活用することになります。
不動産の確定
相続財産の中でも一般的に大きな比重を占める不動産(土地・建物など)についてみていきます。
不動産を確定(把握)するために、効率のよい方法は、次のとおりです。
市役所で故人の名寄帳を取り、それをもとに、被相続人名義の固定資産評価証明書
を交付してもらう。(相続が開始した日の属する年度のもの。)
法務局に行って、1.で取得した証明書に記載されている不動産について登記簿謄本
(全部事項証明書)を請求する。
同じく法務局で、固定資産評価証明書に記載されている所在地の土地の公図を請求
する。
できれば、住宅地図などで、公図上の土地が住宅地図上でどこに位置するのか、
マーカーなどでわかるようにしておく。
その土地や家屋が他人に貸しているものである場合には、その賃貸契約書(相続開
始日を含む期間についてのもの)を探し出しておく。
不動産の評価額については、実勢価格評価、路線価評価、固定資産評価等、ありますが、まずは固定資産評価証明書に基づく価格を評価額して相続財産目録に記載することが、最も簡便なため、現実によく行なわれています。
また、上記のうち③~⑤については、遺産名義変更とは直接関係がないとも言えますが、相続税の申告に際して、土地の評価を正確に行う為に不可欠なものですので、この段階で行なっておくことをお勧めします。
預貯金・借入金の確定
現金預金、借入金などは、預貯金の通帳や当該金融機関に発行してもらう残高証明書で確認します。残高証明書は、相続開始日現在の日付で請求します。
残高証明書には、預貯金のみならず、借入金の残高も載っているはずですから、被相続人に借金があったかどうかの確認は、これにより可能となります。
有価証券、自動車、その他の動産類
株式については、株券の確認と、保管先の証券会社に照会します。最近増えている「株券不発行会社」については、株式発行元の株式会社から、株主名簿記載事項証明書を発行してもらうようにします。上場株式については、株式取引価格が公開されていますから、それに基づき株式の評価額を相続財産目録に記載します。
自動車については、車検証を、貴金属や宝石などの動産については、その目録を準備します。また、中古車販売店で、下取り価格を査定してもらうなどして、相続財産目録に評価額を記載します。